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2026.4.19 スタッフブログ

(経年劣化に伴う)太陽光モジュールの載せ替え工事

太陽光発電システムの既設ユーザーからの依頼で、劣化した既設モジュールをすべて撤去した上で、新品の太陽光モジュールに載せ替える工事を行いました。

最近、載せ替えのご要望が増えていますので、今回の件を実例としてご紹介します。

 

お客様宅の太陽光に不具合が出始めた最初は、5年ほど前のハイブリッド型蓄電池の設置がきっかけでした。

既設のパワコンを外して最新のハイブリッドパワコンを設置したところ、パワコンのブレーカーが落ちて上がらなくなりました。

メーカーのサービスに見てもらったところ、「一部の太陽光モジュールに絶縁不良がある」との診断でした。

絶縁不良モジュールを特定して飛ばして配線すると、ブレーカーは落ちなくなりました。

当時はそれでハイブリッドパワコンのブレーカーが落ちなくなったので、そのまま様子見とさせていただきました。

 

数年後、またハイブリッドパワーコンディショナーのブレーカーが落ちるようになってきました。

パワコン不具合の可能性もゼロではないため、改めてメーカーのサービスを入れると、結果はやはり「(屋根上の)絶縁不良」でした。

今度は絶縁不良を起こしているモジュールが増えているようで、屋根上の太陽光モジュールを見てみると、半分近くのモジュールが白く霞がかかったように変質していました。推測ですが、フレームに隙間が出来て水分が内部の浸入したのではないかと思われます。
前回の不具合時から時が経ち、経年劣化が進んだことで、数年前に発生していたモジュールの絶縁不良と同様の変質が他のモジュールにも拡がっている感じに見えました。

↑ [工事前の状況写真]

全体的に白く濁ったようなモジュール表面になっています(=水分の浸入?)。
真ん中の丸く黒く変色している場所はホットスポット(=ある種焼け焦げているような状態)。

 

設置して15年以上経過していて、保証期間も終わっていることもあり、ブレーカーが落ちないようにするには、絶縁不良の原因になっている変質モジュールをすべて取り除かねばなりません。しかし、そうすると屋根上の太陽光モジュールの大半を撤去することになり、激減したモジュール枚数では充分な出力が確保できないため、全数交換(=いわゆる「載せ替え」)を提案しました。

15年以上前の太陽光モジュールは非常に高額だったこともあり、当初、お施主様は半信半疑でしたが、現在の太陽光モジュールの価格は、当時の35%程度の価格に下がっていますので、見積書を提出したところ、お施主様より「全数交換して欲しい」とのお言葉をいただきました。

現在の太陽光モジュールは、価格が下がっただけではなく、出力も上がっています。

撤去する既設モジュールが1枚153Wだったのに対し、載せ替えるモジュールの出力は250Wになるので、屋根上の総出力は3.6kW→6.25kWにアップすることになりました。(約倍増になりました。)

↑ [撤去前と載せ替え後の様子を写真で比較]

左が撤去前。右が載せ替え後。

 

工事後、正常に動作するだけでなく出力が上がったので、お施主様も大満足だったのですが、お施主様が何よりも一番驚かれていたのは、悪天候でほとんど日射がない中で太陽光が発電していたことです。

15年前のモジュールは、日射量が低い時の出力が小さいものが多く、悪天候の際に発電が停止したり極端に少なくなることが多かったのですが、現在のモジュールは技術が進歩して低日射量でも良く発電するように出来ており、以前のモジュールと比べて早朝の発電開始時間が早くなったり、日没で発電が停止する時間が遅くなっています。結果、発電時間が長くなるため、以前のモジュールと比べて同じkW数でも総発電量が多くなる傾向があります。

発電量の低下やモジュールが割れるなどの破損、あるいは絶縁不良などの不具合があるような場合は、中途半端にモジュールを1枚だけ外したりするよりも、全数を交換する方が、システム全体の寿命を延ばすだけでなく、結果的に総発電量を増やすことにつながります。

なので、設置当初と比べてモジュール表面の色が変わったり、割れたりしている場合、経年劣化が進んでいる証拠ですので、中途半端に1枚だけ外したり、汚れてもいないのにモジュールの表面を洗浄(=これは全く効果がない)したりするのではなく、太陽電池アレイ全体を載せ替えして、システムをリフレッシュすることを強くお勧めします。

実際、お施主様も「もっと早く載せ替えすればよかった」とおっしゃっていました。

 

ただし、「載せ替え」にも注意点があります。

(1)撤去する太陽光モジュールの廃棄処分費用が必要

太陽電池は産業廃棄物なので、きちんと再処理工場に出してリサイクル処理をしなければなりません。(事業認定上はマニフェストの提出が必須)

他の建材などと一緒に処分すると違法になりますので、ご注意下さい。

(2)最近の太陽光モジュールは「大電流仕様」

最近のモジュールは、業界内で言うところの「大電流仕様」モジュールとなっていて、昔のモジュールとは電気的な特性が異なります。

なので、モジュールだけを交換する場合、既設のパワコンが「大電流仕様」に対応している機種かどうかを確認する必要があります。

今回ご紹介した事例では、既設パワコンをそのまま活用する前提であったため、最新のモジュールは設置不可であったため、少し前の世代のモジュールを入手して載せ替え工事を行いました。 最新モジュールで載せ替えをしたい場合、パワコンまで一緒に交換する必要があります。

 

当社では、シャープ製だけでなく、他メーカーのモジュールからの載せ替え工事も経験がございます。

出力低下の大半の原因はモジュールの経年劣化です。

なぜかこの業界の営業員は「蓄電池の設置」や「パワコンの交換」ばかり提案する者が多いですが、劣化が進んでいる太陽電池アレイにハイブリッド型蓄電池を接続するのは、得策とは思えません。

モジュールが変色・変質していたり、出力が低下している場合、蓄電池がうまく動作しなかったりしますし、パワコンだけ交換したところでパワコンの見た目が変わっただけで発電面では何の解決にもなりません。

先に太陽電池モジュールのリフレッシュをお考えになる方が賢明です。

 

しかし、太陽光の「載せ替え」に補助金などは存在しません。100%自己資金で工事する必要があるのが難点です。

経済産業省や各自治体には、せっかく設置された太陽光発電システムを引き続き長く使用してもらうことを前提に、住宅に設置後20年以上を経過した太陽電池アレイのリフレッシュ工事(=要するに「載せ替え」)を補助することを検討してもらいたいです。(あくまで住宅用のみです。産業用は営利目的なので補助の必要はないと考えます。)

積極的にリフレッシュを推進していかないと、各住宅の屋根上に20年以上経った太陽電池の残骸だけが残ってしまう未来になってしまいかねません。

実際に販売・施工をしている者としてその点を危惧しています。

 

載せ替え工事の現場調査、見積、手続き面など、経験は豊富ですので、古くなったモジュールを「載せ替え」したい方は遠慮なくご相談下さい。

用松俊彦